乱読録:99.9%は仮説〜幸福な食卓〜アースダイバー |
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2007-01-13 Sat 11:23
私の読書ははっきり言って「乱読」。テーマも嗜好もめちゃくちゃです。最近読んだものから今回は3冊紹介します(前に「最近は横山秀夫にはまっている」と書きましたが、横山の作品についてはまたいずれ)。
★『99.9%は仮説』【ノンフィクション 科学 哲学】
この本は「科学オンチ」のいわゆる「文系人間」をターゲットに書かれた本のようです。私も人後に落ちない「文系人間」、自然を鑑賞するのは好きでも自然を理屈で理解したり分析したりは苦手。論理的思考もあまり得意ではありません。 この本で著者は、人間のなすこと、それが妥協を許さぬ「科学」であろうと、「絶対」はない、という「仮説」を述べます。これも「仮説」であるところが、この本の、著者の、クセモノなところ。それも「99.9%」だと言うのが微妙ではありませんか。 本文の末尾の方に出てくる「間主観性」という言葉はなかなか大事なキーワードだと思いました。。著者自身の高校生時代の「いじめられ」体験から、自他ともに相対化することの有効性を著者は悟ったようです。 天動説と地動説など、科学史上の「仮説」の例をとりあげながら、考え方のヒントを提示する哲学的な読み物です。軽い本だけど深い。 ★『幸福な食卓』【フィクション 家族 青春 恋愛】
主人公の佐和子以外はみんなヘンな家族であり恋人であり教師であり・・・ まあ人間誰一人として何がヘンで何がヘンでないかなんて言えないと思うけど。それにこういうヘンな家族は実在するかもしれません。 ところで血のつながりって何でしょう? そして一体ひとの幸福って? いい歳した男がそんなこと言うな、と言われそうですが、いい歳した人も若い人も、共感できるお話。 作者は中学校の教師だそうで、中学高校の教室の雰囲気がさすがによくとらえられています。佐和子は実に普通の少女。ほのかな恋をし(悲恋になってしまいますが)、いじめられもし。 映画化されたそうですが、あまり観る気はありません。 これを読んだのは、知人の大学の先生がいろいろな人に薦めていたので。この先生もヘンな人なのですが、おもしろい(上手い)小説に対する嗅覚が発達しています。 ★『アースダイバー』【ノンフィクション 考古学 歴史 民俗学 地理学 東京】
私は何年も前から、東京に行った時に時間があると、地図を見ずに行く方向だけを決めて、太陽の位置やランドマーク的建物を目安に歩くことがあります。たいてい2時間くらい。 東京23区はけっこう複雑な地形の上に成り立った街で、案外自然景観が隠されています。とくに私は、埋められてしまった川に興味があって、川を中心にして、街の成り立ちを想像することが多くあります。 この本は東京23区に埋もれている縄文遺跡や縄文時代の地形、自然景観を手がかりに街の成り立ちを探る、私にはとてもエキサイティングなガイドブック。民俗学や宗教学を中心に幅広く深い論考を展開されている著者ならではの表現も魅力的です。本文中や巻末にある縄文時代の地形=洪積層と沖積層を区分して表現した地図を見ながら東京を歩けば、縄文人が生活していた「古東京」の景観と人々の生活、カミや精霊の姿も見えるかもしれません。それに、今はかなり失われた街の中の「湿地」、水景の意味も再認識できるはず。地球温暖化とかいった話とは別の意味で。 私の住む地区にかつて(30年くらい前まで?)流れていた小川をめぐる映像記録をグループで取り組んでいるのですが、そのメンバーがこの本をお薦めで、お借りしました。 |
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