悠歩快走録☆3

悠々と歩み、快く走りたい

旅日記・上田〜塩田平篇その2 自転車でGO! to 「信州の鎌倉」

7月27日、上田から「丸窓電車」に乗って別所温泉駅で下車。
駅の裏の窓口でノートに名前と連絡先を書いて、無料の貸自転車を借りる。午後5時までに返せばよい。
別所線レンタサイクル

自転車には「別所線電車存続期成同盟会」のシールが貼ってある。思わずこぶしを握りしめて「別所線を残そう!」とシュプレヒコールしたくなる?

塩田平巡り

自転車でめぐったコース。けっこうアップダウンがあり、3段変速の自転車ではちょっときついところがあった。もちろん下りは楽々! 全行程約14km。

交通量の少ない、田んぼの中の県道を上田方面へ。地図を見ず、標識を頼りに行ったら、標識が乱立気味でどこから入ればよいか少し迷った。2万5千分の1地図を取り出して、地図を読みながら進む。
前山寺4

しずかな山すその集落のなかを進み、前山寺(ぜんさんじ)へ。重要文化財の三重の塔がある真言宗の古刹。開創は奈良時代だが、鎌倉時代に再興されたようだ。くわしくは前山寺縁起を参照されたい。
この周辺は鎌倉北条氏が支配していた時に栄えたところで、「信州の鎌倉」と呼ばれる由縁だ。

前山寺1

前山寺2

三重の塔の前にある黄色い花は「モクゲンジ」という。三重の塔それ自体も美しいが、まさに「花」を添えている。

前山寺3

ヤマユリも咲いていた。

このあと前山寺の傍らにある「信濃デッサン館」と「槐多庵」「無言館」と、深い絵の世界に沈潜した(!)が、これについては別の記事にする。

丘の上の「無言館」を出て、コジャレたレストランでパスタの昼食とシャレこみ(似合わねえ!)、「信州の鎌倉」古跡巡りに戻る。

塩田城跡

中世の山城跡。相当大規模な城砦だったようだが、武田氏の滅亡とともに廃城となって埋もれてしまったという。くわしくはこちら(上田市文化財マップ)へ。
周辺にアジサイが植えられている。アジサイの小道という遊歩道が続いている。

塩田平龍光院

曹洞宗の禅寺「龍光院」は山門をくぐると、生け垣の間にゆるやかな石段が続いている。自転車を置いて登って行った。行き着いた先は、改築されて新しい風情のお寺だったが、一応お参りさせていただいた。

塩田平薬師堂

小さなため池「塩野池」の畔を通り、再び真言宗の寺院「中禅寺」へ。
ここには重要文化財の薬師堂がある。
方形の屋根が美しい。現存する中部地方最古の建築物だそうである。こちら参照。
さすがに重文をもつお寺は拝観料をお取りになる。前山寺も。
中禅寺の茶店でそば茶を無料でいただく。熱いが、汗をかいた身体にはありがたい。

長い坂道を自転車で気持ちよく下り、別所温泉へ戻る。

塩田平の木造校舎

途中に木造校舎があった。近くのバス停の名は「小学校跡」。かつては「小学校前」だったのだろう。
写真を撮りに校庭に入ったら、中学生か高校生がサッカーの練習をしていた。
Google Mapには「さくら国際高校」とある。
「さくら国際高校」は「教育特区」による私立(株式会社立)通信制高校だそうだ(同校のHPによる)。廃校になった小学校の跡をそのまま利用しているようである。サッカーをしていたのはこの高校の生徒だろうか。

舌喰池

塩田平にはため池が多い。全国平均の半分程度の年間降水量なので、江戸時代を中心にため池が多くつくられたそうだ。
さくら国際高校の近くにあるこの美しい池は「舌喰池(したくいいけ)」という恐ろしい名。
由来がこちら(長野県農政部の公式サイト)に出ている。やはり恐ろしいお話だ。
地元の方々が整備に取り組まれていて、とてもさわやかな環境になっているが、蓮が増え過ぎて困っているようだ。
小さなカイツブリがたくさんいた。

姨捨といい、舌喰池といい、美しいが恐ろしげな伝説を秘めた場所に今回の旅ではよく出会う。

別所温泉街の坂道を自転車を押して登って行く。団体ツアー客がぞろぞろ歩いていた。

見上げれば国宝八角三重塔

別所にある二大寺院の一つ「安楽寺」には国宝の「八角三重塔」がある。
鎌倉時代末期に建立された禅宗様式の三重の塔。裳階があって、四重に見える。
塔の傍らに「塔は上から見下げるものではありません」とたしなめるように書かれた看板があった。山腹の墓地に続く道があって、関係者以外立入禁止なのだが、塔を上から見たいと思って無断で立ち入る人がいるからのようだ。八角形の姿を上から見てみたいと思う人もいるのだろう。
しかし、やはり見上げてこそ美しいのだと思う。

信州の鎌倉の多宝塔

もう一つの寺院「常楽寺」は天台宗のお寺で、温泉町の中にある「北向観音」の本坊。
重文の石造多宝塔がある。上の写真。これぞ「信州の鎌倉」の姿。
ヒグラシの声にニイニイゼミのバックコーラス。これなんて言う蝉? クマゼミ?なんてとんちんかんなことを言っているオバさまたちがいらした。よほどの都会暮らしなのか。

行かなかった「北向観音」は厄除けの観音様で、本堂が北に向いているからそう呼ぶ。南向きの長野の善光寺とともにお参りすれば完璧な「厄除け」になるそうな。私はどちらもお参りしていない。

別所温泉大湯

別所温泉には四つの共同浴場(こちら参照)があり、どこも150円で入浴できるが、私は「大湯」に入った。
硫黄温泉の少し白濁した湯。少し熱めだったが、ちょっと狭い露天風呂の湯はぬるめでほてった身体にはうれしかった。

別所温泉駅までの下り道、自転車に乗って、涼風を身体いっぱいに受けて、湯上がりの身体が大喜びだった♪

別所線の「丸窓」ではないふつうのステンレスカーに乗り、自転車で巡った塩田平の風景を、思い出をかみしめながら見て、上田に戻る。
新幹線では、おやきをつまみにビールを飲む。東京まで1時間半。通勤時間と一緒じゃないか!
あっけない旅の幕切れだったが、記憶はたっぷりぎっしり。よい旅であった!

旅日記はさらに、感動の塩田平アートツアーの記録に続く!
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