悠歩快走録☆3

悠々と歩み、快く走りたい

トレイルレースの憂鬱

5月25日の当ブログ記事の続き。
今日(6月21日)の神奈川新聞WEB「カナロコ」に、
「特別保護地区などでの山岳マラソン開催を認めないよう要望書/箱根」
という記事が出た。神奈川新聞本紙を購読されているみなとさんによると、記者署名入りの記事だったそうだ。

その記事の一部を抜粋、引用する。


 五月二十七日に箱根町で開かれた山岳マラソンを受け、箱根町の環境保護団体「箱根を守る会」は二十日、若林環境大臣と松沢県知事、山口町長らに対し、今後は特別保護地区などでの開催を認めないよう要望書を出した。
 同会は、当日とその前後にわたって、大会による植生への被害程度を検証。要望書では「著しい自然破壊は免れた」としているが、「数回反復された場合の影響は決して軽微ではない」などと、今後の厳重な規制を求めている。
 また、登山客が登山道を過度に利用することによる林床への土砂流入といった登山道の荒廃を指摘。同月三十日に調査を実施した同会メンバーは「山道が拡張して道か沢か分からなくなってきてしまっているなかで、この大会で拍車がかかった。二度とあってはならない」と話している。



この記事を読む限りでは、「守る会」がどういう要望を出したのか、いまひとつはっきりしない。「特別保護地区などでの開催を認めないよう要望書を出した」とあるからには、影響ないところならいいですよ、ということなのかどうか。後段で「この大会で拍車がかかった。二度とあってはならない」と守る会のメンバーが話しているとのことだが、「二度とあってはならない」のはトレイルレースそのものなのか、同じコースでのレースなのか。

影響ないところでのレースであればいい、ということになると、もはやトレイルレースではなくロードレースになるかもしれない(それはそれで魅力的なのだが!)。

しかしこの問題は箱根に限らず、丹沢や奥多摩といった首都圏近郊の山の共通の問題である。
「オーバーユース」。
首都圏の人口は多すぎる。自然はどんどん後退している。高速道路が高尾山のどてっ腹をぶちぬこうというところまで、人間活動によって排出された有毒ガスと山奥に追いやられた鹿たちによって丹沢のブナ林が枯れるところまで、自然破壊が進んでいる、そういう「自然」にたくさんの人々が群がり、歩き、走る。「なけなしの」自然がさらに荒れる。

これでいいのか?...という思いは私にはある。

自然を、緑の風を、フィトンチッドを、心ゆくまで満喫して身体を動かし、リフレッシュしたい、天然の美を愛でたい、という思いも一方あるのだが、「分」をわきまえねば、とも思う。

さて箱根だが、今回の50kmコースは私は一部分しか行ったことがない。明星が岳、明神が岳から金時山あたりの、ハコネザサに囲まれたトレイルは歩いたことがある。ここは道が狭い。今以上に大勢の人が歩いたり走ったりすることで、道幅はひろがり、笹も後退してしまうだろう。
もともと外輪山は風が常に吹くために、樹木があまり成長せず、低い笹が繁茂する。植生としてはそんなに豊かとはいえない。ここを荒らすのは実に容易であり、回復にはかなり時間がかかるだろう。

1000人以上がどやどやと走り抜けるのは、たしかにダメージが大きくありそうだ。

自然を愛するランナーなら、考えてもいいのではないだろうか。

大会の適正規模や適正な実施間隔というのも考えた方がいいかもしれない。どの程度が適正かとなると、簡単に答えは出そうにないが。

とりあえず、箱根はトレイルレースをやめて、箱根全山から車を締め出して、ロードをめいっぱい使ってウルトラマラソンでもやったらいかが?(観光協会からは文句ありそう...)
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