悠歩快走録☆3

悠々と歩み、快く走りたい

快読録:『市民マラソンの輝き』

最近読んだ本のことをこれから時々書くことにします。まずは「走ること」に関する本。

私は走歴20年余り。と言ってもそんなに大会に出ているわけでなく、海外大会は出たことがありません。フルマラソン参加は昨年のNAHAが初めて。それまではハーフや30キロの大会参加ばかりで、30キロの青梅マラソンには16回参加しています。

青梅マラソンは日本の市民マラソンの元祖的存在。1万人参加という規模といい、沿道の応援といい、青梅市民あげての大イベントで、楽しく走れる大会ですが、NAHAマラソンに参加したら、青梅どころの騒ぎじゃない、そりゃあもう大騒ぎさ〜! 山間と南の島という環境の違いもありますが、「歌舞音曲」に飲み物食べ物にハイタッチ・・・と沿道の人たちは走らなくてもランナーと一緒に大いに楽しんでいる(まさに「ストリートパーティ」!)、その熱気は青梅の比ではありません。

10月末に刊行された『市民マラソンの輝き−ストリートパーティに花を!』のなかで著者の大島幸夫さんは、沖縄の市民マラソン(おきなわマラソン、NAHAマラソン)は「祭りそのもの。沖縄は欧米のマラソン文化に拮抗できる、日本の例外的エリアといっていいと思う」とお書きです。

欧米のマラソン文化。トップアスリートも、6時間でやっと完走するような市民ランナーも、同じ大都会の真ん中のロードを走るボストンマラソンやベルリンマラソン、N.Y.シティマラソンなど。肢体障害者ランナー、車いす、自転車、インラインスケートのレースまであるそうです。もちろん沿道は「ストリートパーティ」!

日本人と欧米人の文化は違うでしょう。本土(ヤマト)と沖縄(ウチナー)の文化も違います。しかしそれ以前に、日本では、健康と楽しみのために走る市民マラソンの文化がなかなか育たなかった、それは日本の陸上競技団体(陸連)が市民ランナーの存在を視野に入れて来ず、「異端視」してきたからだと大島さんは指摘します。

来年行われる「東京マラソン」は、日本で初めての欧米型大都市市民マラソンになりそうですが、この実現のために大島さんらは「東京夢舞いマラソン」を開催して、市民マラソン文化を東京で花開かせよう、大東京の真ん中の公道でN.Y.並みの「ストリートパーティ」を実現しよう、とアピールして来られました。

その大島さんの思いの源泉がこの本にはあります。

日本での市民マラソンの文化を切り開いてきた人々、市民ランナーのためのシューズやウエアなどを開発してきた人々についてのルポに加えて、大島さん自身の参加体験からお奨めの国内外の大会ガイドもあります(大島さんはフルは「サブ3」、ウルトラは「サブ10」の記録の持ち主)。元新聞記者の大島さんの文章は読みやすく、体験に根ざした説得力が感じられます。

岩波書店 2006年10月刊 ISBN 4-00-023428-5 本体\1900
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