最近の読書 |
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2007-03-09 Fri 21:47
いま主に帰りの電車内や寝る前に読んでいるのは、熊谷達也『邂逅の森』。若いマタギを主人公にした成長小説と言ってよいだろうか。時代設定は大正時代。初めは秋田の阿仁あたりの言葉や、マタギ用語がたくさん出てくるし、猟のドキュメンタリーのような展開で面食らうが、主人公の禁断の恋の話になってがぜん面白くなってきた。いま主人公が重大な転機に立ち向かうところにさしかかり、今夜は一気に読み進めそうだ。 これを読んだら『相剋の森』を読みたい。
『邂逅の森』の前に読んだのは、三崎亜紀『となり町戦争』。ずっと気になっていた作品だったが、文庫化したのでやっと読んだ。しかし、期待していたほど面白い作品とは思えなかった。 何だかヘンなお話。「戦争」の大義名分とか目的とかがよくわからないし、主人公が、いきなりとなり町との戦争が始まったことに対する疑問をほとんど持っていない風なのが、どうにもイライラした。 寓話のつもりだろうとは思った。公共事業とかお役所仕事とかいったものに対する皮肉が含まれているようにも、一応は思えた。それにしても表層的で、あとから考えさせるものはほとんどない。考えなくてもよい「ライトノベル」だと言われれば、全くその通りだが。
横山秀夫作品は去年から4冊。順番に『クライマーズ・ハイ』『出口のない海』『半落ち』『動機』(短編集)。新聞記者が活躍する事件ものが多いなかで『出口のない海』は異色。4冊のなかで私は『クライマーズ・ハイ』が一番好きだ。やはり作者自身の体験が最も色濃く反映されているからだろう。 他にノンフィクションもあわせて、ちょこちょこと読みかじっているが、今日はこんなところで。 |
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乱読録:99.9%は仮説〜幸福な食卓〜アースダイバー |
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2007-01-13 Sat 11:23
私の読書ははっきり言って「乱読」。テーマも嗜好もめちゃくちゃです。最近読んだものから今回は3冊紹介します(前に「最近は横山秀夫にはまっている」と書きましたが、横山の作品についてはまたいずれ)。
★『99.9%は仮説』【ノンフィクション 科学 哲学】
この本は「科学オンチ」のいわゆる「文系人間」をターゲットに書かれた本のようです。私も人後に落ちない「文系人間」、自然を鑑賞するのは好きでも自然を理屈で理解したり分析したりは苦手。論理的思考もあまり得意ではありません。 この本で著者は、人間のなすこと、それが妥協を許さぬ「科学」であろうと、「絶対」はない、という「仮説」を述べます。これも「仮説」であるところが、この本の、著者の、クセモノなところ。それも「99.9%」だと言うのが微妙ではありませんか。 本文の末尾の方に出てくる「間主観性」という言葉はなかなか大事なキーワードだと思いました。。著者自身の高校生時代の「いじめられ」体験から、自他ともに相対化することの有効性を著者は悟ったようです。 天動説と地動説など、科学史上の「仮説」の例をとりあげながら、考え方のヒントを提示する哲学的な読み物です。軽い本だけど深い。 ★『幸福な食卓』【フィクション 家族 青春 恋愛】
主人公の佐和子以外はみんなヘンな家族であり恋人であり教師であり・・・ まあ人間誰一人として何がヘンで何がヘンでないかなんて言えないと思うけど。それにこういうヘンな家族は実在するかもしれません。 ところで血のつながりって何でしょう? そして一体ひとの幸福って? いい歳した男がそんなこと言うな、と言われそうですが、いい歳した人も若い人も、共感できるお話。 作者は中学校の教師だそうで、中学高校の教室の雰囲気がさすがによくとらえられています。佐和子は実に普通の少女。ほのかな恋をし(悲恋になってしまいますが)、いじめられもし。 映画化されたそうですが、あまり観る気はありません。 これを読んだのは、知人の大学の先生がいろいろな人に薦めていたので。この先生もヘンな人なのですが、おもしろい(上手い)小説に対する嗅覚が発達しています。 ★『アースダイバー』【ノンフィクション 考古学 歴史 民俗学 地理学 東京】
私は何年も前から、東京に行った時に時間があると、地図を見ずに行く方向だけを決めて、太陽の位置やランドマーク的建物を目安に歩くことがあります。たいてい2時間くらい。 東京23区はけっこう複雑な地形の上に成り立った街で、案外自然景観が隠されています。とくに私は、埋められてしまった川に興味があって、川を中心にして、街の成り立ちを想像することが多くあります。 この本は東京23区に埋もれている縄文遺跡や縄文時代の地形、自然景観を手がかりに街の成り立ちを探る、私にはとてもエキサイティングなガイドブック。民俗学や宗教学を中心に幅広く深い論考を展開されている著者ならではの表現も魅力的です。本文中や巻末にある縄文時代の地形=洪積層と沖積層を区分して表現した地図を見ながら東京を歩けば、縄文人が生活していた「古東京」の景観と人々の生活、カミや精霊の姿も見えるかもしれません。それに、今はかなり失われた街の中の「湿地」、水景の意味も再認識できるはず。地球温暖化とかいった話とは別の意味で。 私の住む地区にかつて(30年くらい前まで?)流れていた小川をめぐる映像記録をグループで取り組んでいるのですが、そのメンバーがこの本をお薦めで、お借りしました。 |
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Person of the year |
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2006-12-22 Fri 23:59
![]() アメリカの週刊誌"TIME"の年末号は毎年"Person of the year"を選んで特集しており、表紙にはその人の顔が載る...そうなのですが、今年は顔写真がありません。PCディスプレイの写真の画面部分にアルミフォイルのような素材が貼り込まれているだけ... 面白いのである筋からgetしてみました。 表紙の言葉。 You. Yes,you. You controll the Information Age. Welcome to your world. (今年の人は)あなた。そう、あなたです。情報時代をコントロールするあなた。あなたの世界へようこそ。 あなた、つまり私が表紙の「鏡」に写り、表紙の顔、今年の人になるしかけ。 内容は私の英語力では十分理解できませんが、おもにネットの世界、BLOGやYouTube、MySpace、Wikipediaなどで活躍する人たちを取り上げています。日本人は残念ながらいませんが、OhMyNewsの市民記者(韓国人)が取り上げられています。いわばanonymousまたはunknownというべき人々。 今日のYahooのトピックスによれば、ブロガーは、自ブログの更新、他ブログの閲覧、他ブログへのコメント・TBの頻度によって、6タイプ(段階)に分かれるとNRI(野村総研)が分析しているそうです。この分析の意図はあくまでマーケティングで、それは私にはほとんど興味ありませんが、タイプの分け方が面白い。私はさしづめ「自己完結ブロガー」か? TIMEに取り上げられた人々は、NRIのタイプでは「アルファブロガー」の段階にある人たち、WEB2.0の申し子と言ってもいいような人たちですが、ブロガーの風上にも置けないようなanonymousの私も、TIMEに Yes,You. などと持ち上げられたような気分で、表紙の「鏡」に写ってみました。 でも完全な平面ではないので、どうしたってゆがんで写ってしまいます... ま、自分の真の姿は自分にも見えないのではないかな...? |
快読録2:恩田陸の作品三つ |
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2006-12-11 Mon 22:49
『きのうの世界』
『ねじの回転』 『夜のピクニック』 今売れている作家の一人恩田陸の作品を今年前半から続けて読みました。上記タイトルは読んだ順です。 ★『きのうの世界』は『神奈川新聞』の連載で読みました。他のいくつかの地方紙にも時期をずらして連載されたようです。まだ単行本化はされていません。読者を「あなた」呼ばわりする独特の文体、交代する複数の語り手・・・それもあいまって、不思議な感覚をもった作品です。 発端はあるサラリーマンの失踪事件。おもな舞台は、由緒不明の3本の変わった塔が立ち、町中を幾筋かの川が流れている地方都市。川の中州に誰も近づけない家があって・・・と奇妙な謎に包まれた街。そこで起きた殺人事件。それを追う正体不明の人物・・・ 最後にはこの物語最大の秘密が明らかに・・・? 新聞連載小説はほとんど読まない私ですが、この作品は書き手に注目したこともあって、毎回楽しみに読みました。ただ、最後は・・・? これは「問題作」だ! 出版をお楽しみに! ★『ねじの回転』。これもハッキリ言って問題作。「二・ニ六事件」を題材にした長編(上下2冊)の歴史SF。それもかなり掟破りのSFでしょう(SFというものはみな掟破り、と言えなくもないが)。 歴史を改ざんしようとする勢力と「史実」通りに「修復」しようとする勢力の時空を超えた戦い。歴史(過去)が未来からの介入によって改ざんされてしまったら未来(現在)はどうなってしまうか? それが「二・二六事件」であるだけに! 奇妙な感覚に時に襲われる作品でした。 ★そして『夜のピクニック』。今や恩田陸と言えばこの作品と言われそうですが、映画化の力でしょう。しかし紹介した上の2作と比べて、同じ作家の作品か?と思ってしまいます。SFでもなくミステリーでもない、ほのかなほろ苦さを加味した青春ドラマ。映画で言えばロードムービー。 数少ない登場人物の人物描写がくっきりしていて魅力的。ごく「普通」の高校生であって「普通」でない境遇にある主人公貴子の心模様が、とても「普通」。言いかえれば「自然」です。 作者自身、母校で夜間歩行行事を体験していて、エピソードはほとんど創作でしょうが、自らその時のことを思い出しながら楽しんで書いたのではないか・・・そう思えるほど、楽しさがストレートに伝わってきます。深い感動があるわけでもないのですが、読んで気持ちのよい小説です。 しかし恩田陸というヒトはよくワカラナイ作家だ。気になるので他の作品も読んでみたいものですが、最近は横山秀夫にはまっている・・・ |
快読録:『市民マラソンの輝き』 |
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2006-11-28 Tue 21:27
最近読んだ本のことをこれから時々書くことにします。まずは「走ること」に関する本。
私は走歴20年余り。と言ってもそんなに大会に出ているわけでなく、海外大会は出たことがありません。フルマラソン参加は昨年のNAHAが初めて。それまではハーフや30キロの大会参加ばかりで、30キロの青梅マラソンには16回参加しています。 青梅マラソンは日本の市民マラソンの元祖的存在。1万人参加という規模といい、沿道の応援といい、青梅市民あげての大イベントで、楽しく走れる大会ですが、NAHAマラソンに参加したら、青梅どころの騒ぎじゃない、そりゃあもう大騒ぎさ〜! 山間と南の島という環境の違いもありますが、「歌舞音曲」に飲み物食べ物にハイタッチ・・・と沿道の人たちは走らなくてもランナーと一緒に大いに楽しんでいる(まさに「ストリートパーティ」!)、その熱気は青梅の比ではありません。 10月末に刊行された『市民マラソンの輝き−ストリートパーティに花を!』のなかで著者の大島幸夫さんは、沖縄の市民マラソン(おきなわマラソン、NAHAマラソン)は「祭りそのもの。沖縄は欧米のマラソン文化に拮抗できる、日本の例外的エリアといっていいと思う」とお書きです。 欧米のマラソン文化。トップアスリートも、6時間でやっと完走するような市民ランナーも、同じ大都会の真ん中のロードを走るボストンマラソンやベルリンマラソン、N.Y.シティマラソンなど。肢体障害者ランナー、車いす、自転車、インラインスケートのレースまであるそうです。もちろん沿道は「ストリートパーティ」! 日本人と欧米人の文化は違うでしょう。本土(ヤマト)と沖縄(ウチナー)の文化も違います。しかしそれ以前に、日本では、健康と楽しみのために走る市民マラソンの文化がなかなか育たなかった、それは日本の陸上競技団体(陸連)が市民ランナーの存在を視野に入れて来ず、「異端視」してきたからだと大島さんは指摘します。 来年行われる「東京マラソン」は、日本で初めての欧米型大都市市民マラソンになりそうですが、この実現のために大島さんらは「東京夢舞いマラソン」を開催して、市民マラソン文化を東京で花開かせよう、大東京の真ん中の公道でN.Y.並みの「ストリートパーティ」を実現しよう、とアピールして来られました。 その大島さんの思いの源泉がこの本にはあります。 日本での市民マラソンの文化を切り開いてきた人々、市民ランナーのためのシューズやウエアなどを開発してきた人々についてのルポに加えて、大島さん自身の参加体験からお奨めの国内外の大会ガイドもあります(大島さんはフルは「サブ3」、ウルトラは「サブ10」の記録の持ち主)。元新聞記者の大島さんの文章は読みやすく、体験に根ざした説得力が感じられます。 岩波書店 2006年10月刊 ISBN 4-00-023428-5 本体\1900 |
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| 悠歩快走録☆3 |
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